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■ゴシック
1789年のフランス革命は華麗をきわめたロココ文化に終止符を打ちました。 が、これより先十八世紀の中頃から始められていたへルクラネウムとボンベイの発掘が古代文化に対する非常な関心を全ヨーロッパに与えて、その影響がロココに 続く次のスタイルを徐々に形造っていたのです。ロマネスク芸術が栄えつつあった十二世紀・中頃生まれたゴシック様式は、フランス人によって形成されたと伝えられますが、全ヨーロッパに普及し中世特有の芸術様式を確立しました。
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十四世紀から十五世紀にかけて盛んに用いられたりリーパイプ(liripipe)は、ロマネスクのフード付きクロークの丈がケープのように短かくなったものですが、フードの先が筒状に背中から床まで垂れ下がった特殊なかぶりもので、宗教家や学者達に用いられ、ダンテやペトラルカもかぶったといわれます。またブルゴーニュの代々の領主の用いたシヤプロンターバン(chaperon-turban)は、平たく大きい帽子で、宝石やパールで飾られました。
婦人は長い髪を巻き毛にして花の冠をかぶり、既婚婦人は髪をべールで陪すか顎紐のついた垂れ頑布をかぶりました。十三世紀に流行したトークとチンバンドとが組合わされた形式です。
ゴシック服装の最高の表現はブルゴーニュの宮廷の服装にありますが、中でもエナン(hennin)はすらりと高いものを好むゴシックの理想を最もよく表現しています。エナンは金属やブロケード、ベルベット、シルクでできた円錐形またはラッパ形のもので、一三七五年頃あらわれ、一四八〇年頃まで続きました。
髪はエナンの下にすっかり隠され、エナンの上部からは長いベールや糊づけした麻布を垂らしました。
この他、毛髪を頭のてっペんに紐で結い上げたり、二つの尖った角形にまとめてこれをベールで包んだツノのようなスタイルもありました。
このように中世紀には、ようやく本当の帽子と呼べる帽子が出現したと記すことができます。
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プロケード織の布地でできている協会の尖塔のようなエレン。
ベルベットの半円形の額飾りと透明な長い長いベールも印象的です。
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