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■ロココ
ロココとは18世紀、ルイ15世と16世時代の芸術様式をさした名称で、18世紀フランスは世界の文化都市として異彩を放ち、服飾文化にもこの上ない役割りを果たしました。

男女の頭部の装いの特徴はバロックと同様、帽子よりも髪型にあります。 しかし、スタイルはバロックとはまたまったく異なった新しいものでした。
男性の場合は、前世紀を風靡したあの大きな「かつら」が、この世紀のはじめには高さがとれ、長さとカールが減りはじめ、やがて小じんまりした弁髪となりました。

クラポー(crapaud)は、黒タフタでつくられた弁髪用の袋です。後に、下げた髪の束を この袋にいれてリボンの蝶結びをつけ、ダイアモントのピンを止めました。18世紀を通しての男子帽のおもなものはトリコーンで、トリコーンはいろいろに変型されて上流の紳士や軍人など、特殊階級の人々に用いられました。

一般市民の男子帽には、角クラウンにブリムのついたフェルト幅(uncocked hat)とか、 同型の麦藁製の帽子があります。
けれどもこの頃の帽子は、美しくて、しゃれた「かつら」を生かすために、あまり頭にのせられず、多くは腕にかかえてアクセサリー的に扱われましたので、シヤポー・ブラ (chapeau bras)という名がつけられました。

女性の髪型は、初期には引続いてフォンタンジュが全盛でしたが、ルイ14世の死後間まもなくボンパドール型とよばれる低い髪型があらわれ、60年頃になると髪型が高くなりはじめ、ロココ女王マリーアントワネットの時代にはいりますと、法外の大きさに達しました。
帽子は髪型の技巧のために重要視されず、そのかわりに白い麻や妙にレースで縁どりした 小型のキャップや、タフタ、モスリン、ゴース、レース、ベルベットなどのボンネットが流行しました。
ボンネットの種類はたくさんあって、一七〇〇年代にはパリモード商品だけでも 200種にのぼったということです。

ドルムーズ(dormeus)
ローンやレースを細かくシヤーリングして段々に重ね、サテンのリボン飾りがついている。 ボンネットの中で最も好まれて、中年婦人の間で用いられたという。

カラッシユ(calach)
幌つき軽二輪車のこと。幌のように折りたたみの骨がはいって、後にたためる大きいフード。

モプキャップ(mob cap)
サイズ元にギャザーを寄せ、タフタなどのリボンを巻いたもの。白ローン製や黒タフタと 黒のゴースの組合わせなど、たいへんシックなものがある。
金のレースで縁どり下トリコーンとクラポーを付けた弁髪。

1780年頃から、巾広いブリムのキャプリンが略式の帽子として流行しています。 この頃イギリスから伝えられたファッションの影響らしく、今までのサロン内だけの生活から野外へと移った婦人たちのための日除け帽子でもありました。 麦わらやタフタでつくられているこの大きな帽子には、蝶結びの巾広いリボンや羽毛がトリミングされています。

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